今回の話は訪問のリハビリにおいて電車・バスなどの公共交通機関の利用が可能かどうか?という話です。訪問のリハビリは、訪問リハビリテーションと訪問看護ステーションからのリハビリを分けて考えます。今回の話だけでなく、様々な場面で訪問リハビリテーションと訪問看護ステーションからのリハビリは分けて考えないといけないので、制度について調べる方は注意が必要です。

まず、さっそくですが訪問リハビリテーションにおいては電車・バスなどの練習はOKのようですね

【参考】

(1)-④:居宅からの一連のサービス行為として、買い物やバス等の公共機関への乗降などの行為に関する訪問リハビリテーションを提供するに当たっては、訪問リハビリテーション計画にその目的、頻度等を記録するものとする。

 

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000080856.pdf#page=41

 

では、訪問看護ステーションからのリハビリはどうなんでしょう?

「活動と参加へのアプローチ」が求められる時代に、対象者の家だけでサービスを行う。というのは「活動と参加」を促すには不十分なことも多いと思われます。

 

私が働く訪問看護ステーションでも、「公共交通機関の利用」や「屋外歩行」について何度も疑問に上がった問題ではあります。

訪問看護ステーションでの「屋外歩行」に関して

平成21年のQ&Aにて

利用者の居宅から屋外にかけて実施するリハビリテーションが下記の要件を満たす 場合のみ、例外的に訪問看護サービスとしての算定が可能となります。

  • 自立支援として利用者の生活機能の維持・向上を図ることを目的として実施するものであること。
  • 医師の具体的指示等、医学的判断に基づくものであること。
  • 適切なケアマネジメントのもとで作成された訪問看護計画に位置づけられていること。

 

とありますので、医師からの指示書に屋外歩行が明記されており、ケアプランでも計画が立てられていれば問題なく行えることになります。

 

訪問看護ステーションでの「電車やバスの利用」に関して

電車やバスに関しての明確な記述は見つけられませんでした。訪問リハビリテーションなら可能ですが、訪問看護では基本的には「できない」のが現在の制度かと思います。

ただ、私たち療法士が訪問している際に「バスの練習が必要だ。本人も望んでいる。バスに乗れたら参加場面が広がる」と感じることはあるはずです。

同じ療法士として、訪問リハビリならできるのに、訪問看護からのサービスだからできない。というのは腑に落ちないのではないでしょうか?

そんな時は保険者に確認する!!

保険制度で制度上のことを確認するところはたくさんあります。ネットで調べる。市町村に確認する。厚生労働省に確認する。都道府県や市町村でも指定・指導をしているところもありますが、最終的には給付を管理している保険者に聞くのが一番だと思います。

 

私が働く地域で訪問看護のリハビリ中の公共交通機関の利用について保険者に確認しました。

答えは「医師の指示に公共交通機関を利用するという指示があり、かつ公共交通機関を使うことをケアプランに計画立てられていたら検討します」という回答でした。

しかし、実際

①サービス担当者会議で話し合ってケアプランを立てる

  ⇩

②保険者に確認

  ⇩

③保険者の回答は不可

となれば何のためにサービス担当者会議を開くのかわかりません。利用者さんや家族に時間を割いてもらって、いざ始めようと思ったらやっぱりバスはダメでした。では、築いてきた信頼関係にもひびが入りかねません。

 

上記の内容を保険者に話したところ、「では、医師の指示が出た時点で保険者に相談に来てください。可否は個別で判断します。」という回答でした。

実際この時相談していた利用者さんは、家族さんより「ややこしいのでもういいよ」と公共交通機関の利用にはつながりませんでした。

まとめ

見ていただいてわかるように、保険者としても制度上の問題と、国が目指す「活動と参加を目指す」という目標の間で、具体的な回答が出せずに個別に判断していることがわかります。療法士として働く皆さんも、法的根拠だけにとらわれず、保険者と話しながら「対象となる人に何ができるのか」を考えることも大切だと思います。