訪問リハビリへの就職

私が作業療法士として就職活動をしていた10年以上前では、療法士が最初の職場として訪問系への就職を考えるとはほとんどありませんでした。

しかし、最近では1年目から訪問リハビリに就職される方も増えてきています。また、「1年目からは難しいけどいずれは訪問リハビリの分野で働きたい」という声を聴くことも多くなりました。

訪問リハビリと言っても、医療法人などが持っている訪問リハビリと訪問看護ステーションから行うリハビリがあります。今回は訪問リハビリと訪問看護両方について書きます。

 

訪問リハビリで働くメリット

療法士として医療に携わる者として、自宅で生活している方に、その自宅で直接関わることができるのは、病院や施設で働くのとはまた違った格別のやりがいがあると思います。

療法士としての役割も単に治療だけでなく、生活に密接した役割、介護保険のチームとしての一員としての役割、保健師さんなどの連携など地域に根ざした連携をとることもできます。病院や施設とは違ったアプローチ、関わりあいができるのが訪問の何よりのメリットです。

次に考えられるのは、給与面です。病院や施設系に比べると訪問(特に訪問看護ステーション)は給与水準が高いです。療法士の平均年収が300〜350万円と言われている時代に、年収400万円以上というところも非常に多いです。家族のため、自分のため、ある程度の収入が得たい方には非常に大切なことです。

最前回の病院ではキャリアアップが難しいという話をしました。訪問系では組織が大きくないことが多く、キャリアアップのチャンスは多いです。私の知っている訪問看護ステーションでも、経験年数2年ほどで訪問看護ステーションに入職し。2年ほどで会社の信頼を得て訪問分野の中心として働かれている方もいます。

病院が行う訪問リハビリでも、訪問看護ステーションからのリハビリでもキャリアアップという意味では回復期病棟に比べるとチャンスは多いです。

 

訪問リハビリで働くデメリット

最初に働く病院として考えると、一番のデメリットは教育、指導をしてもらいにくいという点でしょう。最近では訪問看護ステーションでも新人教育に力を入れているステーションはあります。しかし、病院や施設など常に他の療法士から目の届く場所でリハビリを行うことに比べると、どうしても指導、教育が難しいと言えます。そのため、そもそも1年目の療法士を採用しないステーションも多いです。新卒者の採用を検討していても、経験年数のある療法士と比べると採用するためのハードルは当然高くなるでしょう。

福利厚生面で大きな病院に比べると、劣っている事業所も多いでしょう。額面の給与はいいけど、「昇給がない」「退職金がない」など病院に併設されている訪問リハビリ事業所であれば問題ないでしょうが、クリニックの訪問リハビリや、訪問看護ステーションでは福利厚生面で劣っているところは珍しくありません。

事業所代表の色が強くでることも訪問分野では多いです。当然そのことがメリットとなる場合もありますが、今回はデメリットについて書きます。福利厚生面のに近いことですが、「残業がつかない」「働いてみたら契約と違う」「有給が取れない」「ボーナスがない」など通常あるであろうと思っているものが、いざ働いてみるとない。なんてこともありますので、事前に調べておくことも大切です。

最後に、これがもっとも困ることですが、制度、報酬によって給与が変わったり、最悪の場合会社がなくなる可能性もあるということです。大きな病院でも倒産することはあるので、訪問分野に限ったことではありませんが、法人が小さければ小さいほど制度改定などの荒波に耐えることは難しいでしょう。

メリットデメリット
生活に直接アプローチできる、というやりがいがある指導・教育が受けられにくい
給与がいい福利厚生が薄いことがある
キャリアアップできる可能性が高い制度・報酬改定に弱い

私は訪問に関しては長く働いているので、たくさんの思いがあります。今後の制度報酬の改定で心配な部分もありますが、訪問でのリハビリは本当にやりがいがあるものなので、今後も続けたいです。

次回はクリニックへの就職に関して書こうと思います。