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『あの人はお母さんを殺しかねないよ』と回復期病棟で働いていた時に、医師から言われたことがあります。

あの人とは、患者さんの息子さんで非常に熱心に介護をされている方でした。意識レベルの低いお母さんに対して、毎日のようにお見舞いに来られてとてもお母さんを大切にしているように見えました。

一方で、家に帰ってからの介護保険サービスについては「全て私がするので大丈夫です」と頑なに拒否されておられました。

 

私はその時一年目で、イマイチ『殺しかねないよ』の言葉を理解できませんでした。

 

愛情と責任感が強い家族さん

在宅で仕事をするようになり、その時の医師の言葉が少しわかってきたような気がします。『殺す』という言葉の表現は適切では無かったと思いますが、経験の少ない私に対して極端な言葉を使って危機感を持たせたかったのだと捉えています。

 

愛情の強い家族さんがダメなわけではありませんが、責任感があまりに強すぎる家族さんは、介護サービスを使うことを拒否される方が多いです。

そして愛情と責任感で頑張って介護をするわけですが、知らず知らずのうちにストレスが溜まっていく方もいらっしゃいます。

実際、利用者さんの体調不調や介護量の増加と共に、お酒の量が増えたり、利用者さんへの対応がきつくなってしまう方がいらっしゃいます。

介助者の負担が増えた際に、適切な介護サービスが使えればいいのですが、責任感が強すぎることでそれを拒んでしまい悪循環に陥ってしまうケースもあります。

 

訪問看護や、訪問のリハビリは介助じゃないと捉えている方も多いので、『ヘルパーさんは使いたくないけど、訪問看護やリハビリなら』という方もいらっしゃいます。そういった方にサービスに入った時に、本当に必要なデイサービスや訪問介護への導入を促すことも私たちの大切な仕事だと思います。

 

課題

医療系サービスとして入ることができていたり、ケアマネさんが関わっている人は良い方で、地域を見れば医療も介護も全く利用していなくて強い愛情と、強い責任感の中で介護をし、心を打ち明ける相手もいなくて途方に暮れている方もいらっしゃるはずです。

私たちができることは、地域での勉強会や、インターネットでの発信などできることは少ないですが、大切な家族を愛情と責任感の中で虐待してしまうようなことが無くなればと思います。